タマ姉アメリカへ(2)

う〜ん、いい天気ね。
雲ひとつないなんて…。
私は、ベランダから見える景色をなんとは無しに眺めていた。
 
今日は、二人でピクニックの予定。
タカ坊が、ちょっとお寝坊してくれたお陰でもう、お弁当も出来てるし、準備はOK。
昨日は、部屋掃除やら洗濯やらで、大忙しだったから、お礼にどこかへ連れて行ってくれるって…
彼は、どこか観光地へでも行こうって言ってくれたんだけど、ちょっと考えてから、こんな提案をしてみた。
 
− ねぇ、タカ坊、そういう所も良いけれど、私は、体を動かしたいな −
− だから、ピクニックとか山登りとか、そういうのが良い −
− でもね、あまり遠いところはいや −
 
彼は、いろいろ調べた挙句、近くの州立公園に手ごろな登山ルートがあることを見つけてそれを提案。
もちろん、私に不服はなかったので、お弁当を作ることを約束して、楽しく、夕食とちょっぴりお酒も頂きました。
 
本当に、ちょっぴりよ。
ただ…飲み始めてしばらくしてからの記憶は無いんだけどね。
タカ坊に聞いても、顔を赤くして答えてくれないし…。
何かあったのかしら…?
 
しばらくすると、シャワーを浴びたタカ坊がベランダに出てくる気配がした。
私は、振り向かずに、抱きしめられるのを期待して目を瞑った。
なのに、彼ったら、私の横に並んで「おはよう」だって。
ほんと、女心が分からないんだから…
 
「朝ごはんできてるわよ。お味噌汁を温めなおすから、テーブルに座って頂戴」
 
「良い匂いはしてたけど、いつから作ってたの?」
 
「誰かさんが、よく眠ってる間によ…フン」
 
「あ、そ、そうなんだ…そ、それにしても、タマ姉元気だね…」
 
なぜか、顔をあからめて話すタカ坊。
 
「さあ、しっかり食べておいてよ。今日は一日歩くんだから」
 
食事の後片付けを終えると、タカ坊はすでに行く準備が出来ていた。
私は、ベッドルームに行くと、動きやすそうな服を選んで…ブラは、スポーツブラがいいよね。
着替えを終え、外にでるとタカ坊が不思議そうにこっちを見てる? 何?
 
「どしたの?」
 
「い、いや、べ、別に…」
 
「どうしたのよ」
 
「え? な、なんかいつもと違う感じがして…」
 
タカ坊の視線の先を辿ってみると…そうか、いつもより締め付けてる感じだものね…えっち。
 
 
 
 
 
 
 
 
「タカ坊〜、そんなところばっか見てるんだ〜? えっち」
 
「…」
 
 
 
 
 
「じゃあ、罰として、今日一日、荷物持ちね。山ほど、お弁当作ったから重いわよ」
 
「…は、はい…えーー? それは無いよ、タマ姉」
 
「今日は、あなたに拒否権はありません」
 
「…今日…『も』だろ…ブツブツ」
 
ブツブツ言ってるタカ坊を急き立てて、しゅっぱ〜っ…つと。
公園に到着して、まずは、公園事務所に行って地図を買って…と。
事務所には、案内のレンジャーさんがいて、丁寧に説明してくれた。
足腰には自信があると行ったら、ちょっと長めのコースを提案してくれた。
今からなら、山頂まで行って夕方までには戻ってこれるらしい。
山頂からは太平洋が見えてとってもきれいなんだって。
 
「さあ、タカ坊行こう!」
 
「うん、僕も本格的に歩くのは久しぶりだよ」
 
「上まで行ってお昼ごはんにしましょう」
 
とは、言ったものの、結構急斜面だわ、これ。
あんまり、偉そうに、足腰に自信はあるなんて言わなかったほうが良かったかしら。
最近運動不足かしら? あれ? タカ坊は元気ね、かなり離されちゃったわ。
 
「タマ姉、大丈夫?」
 
「うん、大丈夫よ。私は自分のペースで登るから気にしないで」
 
よいしょっ…と、あ、ちょっと斜面が楽になってきた。尾根に出たかな?
タカ坊は…っと、あ、道の分岐点で待っててくれてる。
私も、立ち止まってペットボトルの水を飲みながらちょっと休憩。
もうかなり歩いたわよね。
 
「この地図によると、もう、そろそろ山頂って感じかな?
 山頂まで行けば、あとは下りだけだから楽だよ、多分」
 
じゃあ、がんばって行きましょうかと、歩き始めた。
よく考えたら、荷物を全部タカ坊に持たせてるのに全然、問題なしね。
昔は、ひ弱だったのに知らない間に男の子になっちゃって。
 
まあ、タカ坊って、昔から頑張り屋さんだったものね。
それに、いざというときは、頼もしいし…。
 
そうそう、そう言えば、このみが小さいときに、
あの悪ガキ3人組にいじめられてるときも、
後先考えずに飛び出して行っちゃったし…。
 
そんなことを考えながら、さっきより、なだらかな斜面をしばらく登ると、急に前が開けた。
どうやら、山頂に着いたようだ。
遠くに、海が見える。あっちが太平洋ね。
 
「素敵ね、タカ坊」
 
「うん、苦労して登ってきた甲斐があったよ」
 
「でしょ、でしょ、タマお姉ちゃんの言う事に間違いはないでしょ」
 
「うん、うん、わかった、わかった。わかったから、お昼にしようよ。おなか減った」
 
本当にもう、ムードが無いんだから…。
わかったわよ、じゃあ、あのへんお弁当広げようかしら。
今日のは、結構自信あるんだからね。
 
「うわっ、本格的だね。タマ姉」
 
「当たり前よ、それに誰かさんがお寝坊したから十分時間もあったし…」
 
「ごめん」
 
「でも、重かったでしょ。だから、お礼にタマお姉ちゃんが食べさせてあげる」
 
私は、そう言いながら、卵焼きをひとつ咥えると、はいっと、彼のほうへ差し出した。
 
「は、は、た、タマ姉、まさか、それを口移しで食べさせようって言う訳?」
 
私が、うん、うん、うんと頷くのを見て、
逆らっても仕方が無いと言った表情で私に近づいてくる。
私は、タカ坊の口に卵焼きを渡すと、そのまま、唇を奪って離れた。
 
「おいしい?」
 
「お、おいしいよ」
 
「どっちが? 卵焼き? それとも、あ・た・し?」
 
「あの…両方…」
 
う〜ん、満足ぅ〜。
 
「あの、タマ姉、人が見てるからやめない?」
 
「いいじゃない、ここアメリカでしょ、キスなんて日常なんでしょ」
 
「でも、こういのは、日常じゃないと思うけど…」
 
「ふ〜ん? 何か不満でも?」
 
「い、いいえ、ありません」
 
「そう、じゃあ、次はこれ、あ〜ん」
 
何回キスしたかわからなかったけれど、とっても満足。
このまま、二人っきりでいたいけど、下山しないと夜になっちゃうから、
二人っきりを満喫した後、出発した。
私は、もう幸せいっぱいで、ルンルン気分。
帰りは下りだから楽だったし…。
まあ…荷物は、相変わらずタカ坊が持ってるんだけどね。
 
もう、ほとんど降りてきて、初めに行った公園事務所の近くまで来たときだった。
 
『今日は、素敵な一日だったわ』
 
タカ坊に、そういおうと思って振り向いたときだった。
タカ坊がいると思ったところには、毛むくじゃらの…そいつらがいた。
 
タカ坊は、ちょっと遅れていて、少し後ろのほうにいた。
 
な、なんで、こんなところにいるのよ。
そ、そうか、ピクニックに来てる人が連れてきてるんだ…
ちゃんと繋いどいてよ…
 
私が、怖がって、じりじりと下がって行くと、
そいつらは、逆に嬉しそうにしっぽを振って近づいてきた。
いや、やめて、それ以上こないで、こないで、お願い、タカ坊、助けて〜。
 
「い、いや、こ、来ないで、来ないで〜、にぎゃ〜」
 
そいつらは、あたしの反応が画面白いのか嬉しそうに、のしかかってくる。
 
「いや、いや、あ〜ん、タカ坊〜、助けて〜」
 
その声を聞いて、タカ坊がすっ飛んできて、その犬どもを私から引き離してくれた。
そのあと、子供のように、泣きじゃくっている私の横に来て、やさしく抱きしめてくれた。
 
「こ、こわ…ひっく…怖かったん…ひっく…だから…」
 
「ごめんね、タマ姉。気がつかなくて」
 
「だめ…ゆ…ひっく…うさない。お、おんぶ…」
 
「え?」
 
「車のところまで…ひっく…おんぶ…ひっく…」
 
タカ坊は、仕方なしに、泣きじゃくってる私を背負うと、歩き始めた。
うわぁ…タカ坊の背中だ…
体がくっ付いてると、なんだか気持ちよくなってきて落ち着いてきた。
そういえば、背中…広くなったわね…
 
「ねぇ、タカ坊、タカ坊におんぶしてもらうのは、初めてじゃなかったかしら?」
 
「そうかもね」
 
「ねぇ、重くない?」
 
「う〜ん、そうだね、それほどでもないよ」
 
「タカ坊、そういう時は、羽のように軽いよっていうのが正しい答えよ」
 
ちょっと、抗議の意味で、ぎゅ〜と抱きついてやった。
 
「いたい、いたい、タマ姉、痛いよ」
 
「じゃあ…重くない?」
 
「それほどでもないよ」
 
「…」
 
「いひゃい、いひゃい…
 タマ姉、僕にとっては、軽くても重くても、タマ姉はタマ姉。
 大好きなタマ姉なんだけど、それだけじゃダメ?」
 
ううん、わかってる。それだけで十分だけど、女は貪欲なの。
 
「ところで、タマ姉。
 その背中に当たる『ぷにぷに』したものは、いつもと違うような気がするんだけど…」
 
ぷにぷに!? ですって!
 
「タ〜カ坊、それはね、スポーツブラをしてるからなんだけど…今なんて言った?」
 
「え? ははは、なんて言ったかな?」
 
「ぷにぷにですって? ぷにぷになんかしてません!」
 
「た、タマ姉、く、苦しい。ごめんなさい、許して!」
 
「ダメ、許さない。そんな言われ方したの初めて! 怒ってるんだから!」
 
「た、タマ姉、助けて…苦しい」
 
「ダメぇーーーー」
 
「あ、あの…か、帰ったら、風呂上りに念入りにマッサージさせていただきますから…」
 
あら、そう? それならちょっと話は別ね。タカ坊にマッサージされると気持ち良いし…。
 
「わ、わかったわよ、じゃあ、今回だけ、と・く・べ・つに許してあげる。」
 
「ふぅ…助かった」
 
「じゃあ、シャワー浴びて、食事して、軽く一杯やってから、お願いするわね」
 
「えっ? 今日も飲むの?」
 
「少しだけよ、何か問題ある?」
 
「い、いえ、覚えてないんだ…ね…きっと」
 
「なんのことかしら? ほら、帰るわよ」
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ながらくうpしてませんでした…どうもすみません。f(^_^;
 
留学中のタカ坊のところに行ってるタマ姉の第二話です…って、ほとんど、妄想になってるんだけど…
こんなタマ姉といっしょに過ごしたいなぁ…って。
まあ、そのへんは、大目に見てやってください。
ちょっぴりお酒を飲んだ後のタマ姉がどうなったのかは、皆さんの脳内補完におまかせします…
18禁にはしたくありませんので…

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